2022年10月29日に投稿

学びが広がる「他大学科目受講」のすゝめ

今回は、筆者が好んでやまない他大学科目の履修について、その受講を検討されている東工大生向けに解説します。


1. 他大学科目の受講制度って…?

 東工大には、複数の大学と協定を結ぶことで、各大学の授業科目を履修・単位互換できる仕組みがあります。

簡単に言うと、追加の授業料なしで所定の大学の授業を履修し、ちゃんと勉強すれば単位を得ることができる制度です。

一つの例として、別の大学に在籍していながら他大学の授業を取りたいと思った場合は、「研究生」として別に授業料を他大学に払った上、受講する必要があります。

しかし、この制度を使うと無料で興味ある科目を受講でき、そしてその頑張りが取得単位数にも反映されるので大変お得です。

東工大では現在「四大学連合に加盟する3大学」+「個別に協定を結んだ2大学」の計5つの大学の科目履修ができます。

四大学連合

東京医科歯科大学一橋大学東京外国語大学、東京工業大学という偏差値は高いものの認知度がいまひとつな4つの単科大学の相互連携グループのことを指す。 学生が幅広く学べるようにと設置された科目履修の制度が「複合領域コース」であり、これら3大学の科目を受講する際はこの複合領域コースに予め登録しておく必要がある。

お茶の水女子大学

文教の町に鎮座する国公立の女子大学。女子大学だが、科目履修の制度においてはだれでも履修が可能である。お茶大が東工大生を受け入れている授業科目は、数学や化学から人文・言語・教育・社会・芸術・生活・心理など大変幅広いのが特徴である。

慶應義塾大学

私立大学。慶應大は沢山の学科を持つが、東工大生を受け入れているのは経済学部のみである。

2. 受講のメリットとデメリット

メリット

1. 自分の興味をより深めることができる!

東工大は工学・理学の専門的な講義が多数揃っていますが、文系や医学系の科目が少ない傾向があります。もちろん図書館やインターネットで独学することも可能ですが、専門の先生から学んだり、同じ学びを行う学生から刺激を受けたりする機会は貴重です。

2. 認定されたら修得単位数に加算される!

令和4年度 四大学連合複合領域コース~履修案内~によると

協定大学からの成績通知に基づき,単位が授与されている授業科目については,所属大学の定める規程等により単位を認定します。(中略)成績については点数表示ではなく「認定」もしくは「不合格」という表示となります。科目区分は「系専門科目(標準学修課程外)」となります。(3. 履修申告・単位認定及び成績より)

とあります。つまり、手続きを適切に行った上、履修した科目が問題ない成績であれば東工大の修得単位として認められます。そしてその取得単位数は、卒業要件等での「総修得単位数」にも含まれます。

また、単位認定された科目の名称は、大学の成績証明書に残るため、「他大学で単位を取得し認定された」という事実を示すことができます。

複合領域コースの成績については,所属大学が発行する成績証明書及び単位修得証明書に記載されます。(3. 履修申告・単位認定及び成績より)

3. 他大学の情報や施設の利用、学生との交流ができる!

履修上必要な施設・設備(附属図書館,食堂等)を利用することができます。(令和4年度 四大学連合複合領域コース~履修案内~ 1. 出願資格等より)

とある通り、授業を受けている大学の施設を必要に応じて利用できます。また、履修先の大学が開く講演会やイベントの情報がメールで回ってくることもあります。

また、講義によってはディスカッションを主として行うものもあり、そこで学生と会話をすることで専攻ゆえの考え方の違いや新たな知識を知ることができます。

デメリット

1. CAP制の対象だがGPAやGPT加算の対象外

所属大学の授業科目を含め,年間48単位を上限とします。なお,東京工業大学学修規程第9条第3項及び第4項に該当する学生においては,この限りではありません(56単位又は52単位とする取り扱いを適用します)(令和4年度 四大学連合複合領域コース~履修案内~ 3. 履修申告・単位認定及び成績より)

とある通り、他大学の履修単位は年間の申告上限単位に含まれます。そのため、他大学の科目を履修しすぎると必修科目や系の専門科目の履修が疎かになり、学士特定課題研究や卒業の要件につまずいてしまう恐れがあります。 ある程度成績を稼いで上限を52単位や56単位に広げておく、卒業を見据えて長期的な履修計画を立てておくことが大切です。

なお,卒業要件とならない授業科目(教職科目,大学院科目),研究関連科目(研究プロジェクト,学士特定課題研究,学士特定課題プロジェクト等),合格・不合格で成績が付く授業科目,単位認定された授業科目はGPAの対象外としています。(中略)なお,卒業要件とならない授業科目(教職科目,大学院科目),単位認定された授業科目はGPTの対象外としています。(2022年 学修案内 1年生用 1. 総説より)

学修案内では、単位認定された授業科目はGPA・GPTの対象から外すという記載があります。 他大学の授業を取るよりも、自大学の授業を取る方が成績を上げるチャンスとなるので、他大学科目の聴講は「コスパが悪い」と考えるのもやむを得ないでしょう。

2. 各大学で時間割が異なる

東工大は1限が8:50始まりの100分授業、外語大は8:30始まりの90分授業、一橋大は8:45始まりの105分授業...と各大学で大きく時間割が異なります。東工大の授業と組み合わせて履修計画を立てるのは至難の業です(時間割は最新のものを要確認)。

また、医科歯科大の時間割には注意が必要です。東工大を含め他の大学は「毎週月曜日 1限」のように週ごとに講義の日程が周期的であることが多い一方、医科歯科大の科目は変則的な場合があります。 医科歯科大の授業を履修する場合は履修日程表と時間をよく確認するようにしましょう。

3. キャンパスが遠い

感染症が流行し大学の対面講義が制限された際はZOOMなどでのオンライン授業がほとんどでしたが、行動制限が解除されたことで対面での履修に戻りつつあります。

ここで気を付けたいのが移動時間です。

以下に各大学から大岡山駅までの移動時間の目安を示しましたが、通学に意外と時間がかかることが分かります。 一日に東工大と他大学の授業を受ける計画を立てる場合は、大学間の移動時間も忘れずに考慮しましょう。

  • 一橋大 国立キャンパス 1時間
  • 医科歯科大 水道橋キャンパス 45分
  • 外語大 府中キャンパス 1時間
  • 慶應大 三田キャンパス 30分
  • お茶大 大塚キャンパス 45分

3. QandA

〇他大学での履修申告を取りやめることはできる? →可能なようです(筆者は取消をしたことがあります)。しかし、東工大と同様、履修取消の受付期間があるため取消を希望する場合は早めに連絡する必要があります。この際の連絡は履修先の大学ではなく、東工大の学務にメールするのが適切なようです。

〇1年生でも他大学科目の履修はできる? →できないです。四大学連合の複合領域コースの案内は秋ごろにメールにて通知されると思われます。その際に手続きを行い、2年生から晴れて履修ができます。 慶應大とお茶大は「系または学科に所属する学士過程学生」を出願対象としているため、2年生以降を対象としています。

4. さいごに

他大学科目受講は、東工大では学べない学問や、文系教養科目よりもさらに専門的な授業を受講できます。 手続きや履修計画は多少煩雑になりますが、気になった学生は恐れずぜひこの制度を活用してみてください。 ひとまず四大学連合の複合領域コースの登録だけでもいかがでしょう?


LANDFALLについて

このブログは、東工大生協の学生委員会の団体「LANDFALL」の部員が執筆しました。

LANDFALLは、学生のための情報冊子を作成している学生団体です。

主な制作物は、毎年新入生に配布している「TOKO WALKER」という冊子です。新入生が大学生活の良いスタートダッシュを切ることができればとの想いで制作しています。

また、LANDFALLは研究室紹介記事も作成しております。「LANDFALL」は研究室紹介冊子として1986年に創刊され、現在93号まで発行されています。オンラインで記事を公開しておりますので、ぜひご覧ください。

また、この記事を読んだ受験生の皆様が東工大に入学した際には、是非LANDFALLの部室にもお越しください。