東工大で教職免許!
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます!
ブログリレー、今回は東工大の教職を、実際に履修している筆者が詳細に説明して行こうと思います!
教職免許を取得することで、
- その科目の教師になることができる
- 研究者を目指している人が、資格として教職免許状を持っていることで将来の就職の保険になり得る
- 大学院での研究の傍ら、中学校・高校に非常勤講師として働くことができる
(
時給良くお金が稼げる) - 教職の授業で学院の枠を超えた友人を多く作ることができる
など様々なメリットがあります。
しかし!
インターネットで東工大の教職について調べたり、先輩たちに聞くと必ず教職の「闇」について語られます。
実際「闇」は結構多いので否定はできない……
そこで、本記事では1年次に履修するべき全教職関連科目を紹介し、履修者の生の声を記したいと思います。
闇ももちろん語りまくるけど。
教職履修はこの記事一つで丸わかり!
1. 教職免許について
教職免許は正式には「教育職員免許状」と呼ばれます。本学では、中学校・高等学校の教員免許を取得することができます。取得できる免許には、
- 一種免許状
- 専修免許状
の2種類があります。違いは前者が大学の学部の間に取得した免許で、後者は大学院修士課程を卒業するときに取得した際の免許。細かい違いはありますが、履修する上では大して気にしなくてもOK。
1.1 取得可能な免許科目
東工大で取得可能な教職免許の科目は下表の通りです。
学院 | 取得可能な免許科目 |
---|---|
理学院 | 数学・理科 |
工学院 | 情報・工業 |
物質理工学院 | 理科・工業 |
情報理工学院 | 数学・情報 |
生命理工学院 | 理科 |
環境・社会理工学院 | 工業 |
ということは、工学院の人は数学の免許をとれないのか…… そんな風に見えるがそんなこともなく。実は取れるのだ! 例えば工学院の人が数学の免許を取るとすると、理学院の数学の教免取得に必要な科目を履修し単位を得れば免許取得が可能になる、といった具合に。
ただお察しのとおり、負担が増えることは間違いなし。 強い精神力をもって挑まれたい。。。
1.2 教職免許を取るメリット
前にも述べましたが、教職免許を取得することで教師を目指す人はもちろんの事、
- 研究者を目指している人が、資格として教職免許状を持っていることで将来の就職の保険になり得る
- 大学院での研究の傍ら、中学校・高校に非常勤講師として働くことができる
- 教職の授業で学院の枠を超えた友人を多く作ることができる
など様々なメリットがあります。資格として教職免許を持っていることは大変有利になると思いますし、東工大生が教師になることは後進育成において社会に貢献できると講義で習いました。
将来社会に出てから資格を取るとなると、お金もかかるし時間も圧倒的にとられます。 ですが、教職はお金はほとんどかからず、尚且つ大学や大学院の間に取得できる資格のため、とてもメリットのあることだと考えます。
是非教職免許状取得を目指しましょう!
2. 教職履修の方法
2.1 説明会
教職履修に関する説明会「教職オリエンテーション」が実施されます。 2023年度は
4/12(水)12:45~13:45 @西9号館ディジタル多目的ホール
で行われます。教職履修の人は参加することが望ましいかも知れません。正直参加しなくても良いと思う
参加しなかった人、あるいはできなかった人も、必ず教務課で「教職ガイドブック」なるものを受け取ってください。履修の詳細が記されているので要確認。
といっても初めて見る人には分かりづらいので、とりあえず1年生の間は次項の科目を履修すれば何とかなる。
2.2 履修方法
誰かに申告する必要があるわけでもないので、自ら必要な科目を履修すれば良いだけになります。
2.3 開講時間帯
教職科目は大きく
- 水曜の午後
- 集中講義
です。水曜午後は確実に授業が入り、時には集中講義で土日が昇華することもあります。
3. 1年生で履修したほうが良い科目
2年生以降に履修する科目には、「履修要件」とかいうゴミみたいな制度が存在します。つまり、その科目を履修する前に他の単位を取得していないと履修出来ない、という制度です。
でも大丈夫!
ここに書かれている科目を履修すれば、2年次の教職科目で履修要件を満たせます!
やはり、以下の1年次に履修することが望ましい科目を可能な限り履修することを勧めます。(まぁ、大学院を出るまでに免許をとれれば良いと考えている人はそこまで躍起にならず履修していっても良いと思うけど。。。)
そして教職には集中講義の形式で行われるものも多いので、必ず東工大教職ホームページの2023年度集中講義日程を確認してください。
また、教職科目以外にも履修が必要となる科目もあるので、そちらにも触れたいと思います。
3.1 教職科目
1年のうちに履修しておきたい科目
- 教職概論 (1, 2Q)
- 発達と学習 (1, 2Q)
- 教育基礎A (3Q)
- 教育制度 (4Q)
- 教育基礎B (後期集中講義)
- 教育行財政 (後期集中講義)
- 〇〇教育法I, II (例:理科教育法) (※ I は夏休み中に開講されるものが多いので、日程をここでよく確認!)
注)情報科の場合は Ⅰ のみで十分
次の3つは1年のうちに履修しなくても良いが、可能ならば履修することが望ましい科目
- 生徒・進路指導 (前期集中講義)
- 教育相談論 (2Q, 初回以外は集中講義)
- 特別支援の理論と教育的配慮 (後期集中講義)
- 進路指導・キャリア教育論 (後期集中講義)
3.2 教養科目
共通科目
- 情報リテラシ (1, 2Q)
- コンピュータサイエンス (3, 4Q) (理科、工業科は情報リテラシのみでもよい)
- ウェルネス科目または健康科学演習から合計2単位
理科免許
- 生命科学基礎第二1, 2 (3, 4Q)
- 宇宙地球科学A, B (1Q, 3Q)
- 物理学実験※ (1~4Q)
- 生命科学基礎実験※ (3~4Q)
- 宇宙地球化学基礎ラボ(地球物理)※ (2Q)
- 化学実験※ (1~4Q) (物質理工学院の人は教職単位に含まれない)
※印の科目は、高校免許のみ取得の人はこの※科目からから一つ履修すれば良い科目を表わす。
ここに挙げた科目を一通り履修登録すれば、教職で困ることはまずありません。ぜひ参考にしてください!
4. 教職履修の実際
教職は負担が多いし大変だよ~などと教職の人はよく言います。 学内で教職科目を履修しているといえば、「凄いね、良く履修しているね」といわれます。
そう、教職はやっぱり大変!
教職科目後述のとおり卒業単位には含まれないため、上限単位以上に履修することができてしまうのです。また、集中講義も多いため土日出勤も余儀なくされます。
当然の如く課題は出まくりますので、ほかの人よりも忙しくなることは必至……
1年生の年末にはめちゃくちゃ集中講義が多く、3週間以上休日がなかったりもした。当時、街中や学内を歩いているカップルを見ると殺意がわいた。
4.1 他科目や課外活動との両立
上のように述べましたが、勉強やアルバイト・サークルとの並立が不可能かといわれるとそうではありません。筆者がその証拠です。よって、両立できない、という発言は信用してはならない。
教職の友人で成績の良い人も多かったです。筆者は上限単位数52単位分を履修し、それに加えて教職科目を履修。さらに履修登録をせずに潜っていた科目もありました。それでも何ら問題なく成績を取ることができました。(良い成績の取り方についてはまた記事を改めて書く予定です。)
教職の友人でアルバイトをしている人もいましたし、部活にも精を出している人もいました。実際に筆者もアルバイトも部活もサークルもしていましたが、並立して成績も取れました。
正直、大抵のことは両立出来ます。
両立が厳しいからという理由で履修しない、あるいは脱落する人はただの言い訳に過ぎません。
両立は可能ですし、不都合もありません。無駄な時間さえ削ることができれば、大変でも何でもありません。ですが、忙しく大変な日々を多少こらえることができれば、だとも思います。
要は、サークルやアルバイトのいずれかをせずに教職に取り組めば大変になることはない。少し忙しいのを耐えうるのであれば全て並立することは可能。ということになります。
4.2 教職脱落者
やはり教職科目履修を断念する人も多くいます。
私の学年のデータですが、1Qでは50人前後だったのが、1年の終わりには30人を割っていました。
ここではまだよい方ですが、2年次の「教育工学」なる悪名高き科目があり、この科目の単位が取れないことで断念する人も多くいます。
この科目に関して良い評判を耳にしたことがありません。というかこの先生も良い評判を耳にしたことはない。
しかし、結局は大学院卒業までに免許が取れればよいと考えるならば、脱落するのはもったいない。現状余裕があってとれる科目だけを履修し、帳尻を合わせられればそれでよいのです。
だから、脱落して諦めるのではなく、一時停戦一時中断して最終的に教職免許を取得すれば良いのです。
4.3 教職の2つの関門
東工大の教職履修において、筆者が見ていて多くの人が脱落している関門の講義が大きく2つあります。
ただ、これらの関門は容易に越えられるものだと考えます。ですから、怖くないということをぜひここで知って、教職をとり続けてほしいと思います。
4.3.1 教職概論
脱落しやすい原因:抽象度の高い内容と英語文献
対処法:分からないことはわからないと言って教えてもらう、英語は翻訳ツールDeepLを利用する
この講義は鈴木先生という先生が担当されています。鈴木先生は恐らく我々に期待して下さっていて、教育に関する抽象度の高い専門書を、英語で講読する授業を行っています。
脱落者の多くは抽象的な文章に慣れないために脱落する人がいるように感じています。ですが、鈴木先生は分からないことから学んでほしいと仰っており、分からないことは当たり前だし何ら問題ありません。グループで議論する際に分からない、といえば問題ないですし、レポートも分からないことをきちんと述べれば評価してもらえます。 だから、多少抽象度の高い内容が大変でも、分からないことを受け入れて授業に参加すれば授業についてゆけると思います。
また、英語文献が辛いという人もいるかもしれませんが、21世紀に生まれた皆さんには素晴らしいAIツールがあります。DeepLという名の翻訳ツールで、非常に高精度な翻訳を行ってくれます。英語文献が苦手でも、こうしたツールがありますので心配なく授業に参加できます。
そして何より、鈴木先生が優しく教えてくださるので、授業にも楽しく参加できるでしょう。
4.3.2 教育工学
この講義で脱落する原因となるのは、履修要件が厳しいからと、単純に単位取得が大変だからです。
この講義では履修の要件が多いため、それらすべてを網羅できていなかった人は「履修前提試験」という試験に合格しなければこの講義を受けられません。 そしてその「履修前提試験」がまぁ受からないのなんの。ほとんどの人が「履修前提試験」に受からなくて脱落する、というケースがあります。 (この記事を読んでいる皆さんは、先述した科を履修すれば、2年次に受講する科目の履修要件を満たせますのでご安心ください。)
その他にも中間試験で単位を落とす人が一定数おり、そこでの脱落者も目立つかなと思います。
しかし、この講義は2年次で単位を取れなくても、3年次でも履修出来ますので、一度単位を落としたからと言って諦める必要はありません。ですから、脱落する必要なんてありません。
4.4 教職友達
教職の特徴として、教職履修をしている人たち同士はとても仲良くなります。 それは、前項のとおり、脱落者が多く、休日にも集中講義のために大学に行かなければならないことも多いのはやはり精神的にも大変だからです。 大変でも教職を履修する人達は、お互いの気持ちを共有し、互いに支えあうようになるので、絆が深まって仲が良くなります。
また、教職を履修している友人たちは学院もまちまちなので、学院の枠を超えた友人が増えるきっかけにもなります。
ぜひ教職で作った友人を大事にしてください。
5. 教職履修に関して悩んだときは
教職履修に関して誰かに相談したいな、と考えた時はこちらに相談すると良いと思います。
- 学修コンシェルジュ(Taki Plaza B1階)
- ピアサポーター(Taki Plaza B1階)
- LANDFALL公式Twitter等に質問する
- 教職担当の先生にコンタクトを取る (連絡先は「教職ガイドブック」に記載。鈴木悠太先生が1年次に関わりが深いため、直接講義の際に話しかけるのも良いかと思います)
実際に私も利用したものばかりですので、きっとお役に立つと思います。
6. 結論
教職履修は多少大変な部分もありますが、教職科目を履修し教職免許状を取得することで、将来非常に有益に働くでしょう。
私も教職免許取得に向けて邁進していますので、これから一緒に頑張っていきましょう!
そして、楽しく充実した大学生活を送ってください!
LANDFALLについて
このブログは、東工大生協の学生団体「LANDFALL」の部員が執筆しました。
LANDFALLは、学生のための情報冊子を作成しているサークルです。
主な制作物は、毎年新入生に配布している「TOKO WALKER」という冊子です。新入生が大学生活のスタートダッシュを切ることができればとの想いで制作しています。
また、LANDFALLは研究室紹介記事も作成しております。「LANDFALL」は研究室紹介冊子として1986年に創刊され、現在93号まで発行されています。オンラインで記事を公開しておりますので、ぜひご覧ください。